映画『ゆきおんなの夏』製作支援プロジェクト成功終了しました

写真 2015-07-17 8 03 44先月ブログに書きました娘・亀山睦実が脚本・監督する自主制作映画『ゆきおんなの夏(正式名称)』への製作支援プロジェクトですが、お陰様をもちまして、目標額(125万円)を超える150万7千円(132口)のお申込みを頂き、無事成功して昨夜終了となりました。目標額に到達しなければ白紙になってしまうプロジェクトだっただけに、親としてもハラハラしながら日々見守ってきたのですが、前記のような結果となって本当に安堵しております。

娘は高校時代の放送部から映画作りを始め、日芸映画学科監督コースでその基礎と応用を学び、社会に出てからも映像の仕事に関わってきました。その間、幾つかの作品をローカル映画祭に出品し僅かながらも賞を頂き、同時に映画界で生きる方々との出逢い、縁を彼女なりに温めてパイプを広げてきました。ですから、おそらく彼女は彼女なりに今回のプロジェクトに際しての目論見というか勝算はあったのだろうと思います。

とはいえ、そういうのは蓋を開けてみないとわからないことであって、やはり見守る側としては不安極まりない話です。もちろん彼女自身も目論見はありつつも、より大きな不安を抱きながらのスタートであったでしょう。これまで自主制作映画製作に関して親元に相談に来る事など皆無だった彼女が、きちんと資料を揃えて実家まで説明とお願いに来たのですから。

これまで自力で頑張ってきた娘が、いよいよ勝負を賭ける覚悟をして親元に相談にきている。そりゃ親としては何とかしてやりたいですし、話を聞いたときから不足分は援助する覚悟をしていました。問題は、その不足分がいくらになるか、という……苦笑

が、実際は、親が援助する以前に目標額に到達してしまいました、汗

いや、正確に言うとそうでは無いんですけど(どっちやねん!)、「娘がこんなことをやってるんです」という風にフライヤー片手に親戚知人にお願いに行ったり、こうしてネットで情報拡散をお願いしたりして、中には「ネットはよくわからないからこれで……」と直接お金を親が受け取る場面もありました(それらは全て親がその方名義で代りに申し込みました)。
付け加えれば、目標額到達後に、こそっと自分名義でも申し込みました、けどね。そこはやはり親ですから。気持ちです、気持ち、笑

今回のプロジェクトを通して、娘は想定外の色々なことを学んだだろうと思います。それはきっと、今後の彼女の映画人生にとって大きな糧となることでしょう(いつまで映画やるのかわかりませんが、苦笑)。また同時に、親としても「楽しませて」もらいました。映画の本編製作はまだこれからの作業ですが、その取っ掛かりの部分を共有できたこと(クラウドに参加して下さった方は皆さん同じなのでしょうけど)、日々クラウドのページを開いては目標額に到達するのか否かハラハラしながら過ごしたことは、思いのほか楽しかったです。

クラウド開始当初は「ゆきおんな(仮)」でしたが、終盤になって正式タイトルが『ゆきおんなの夏』に決まりました。撮影は8月後半予定で、つい先日、初めての本読みが行われたようです。完成は冬になるようですが、『亀山組』の暑い夏はこれからが本番です。思う存分暴れて欲しいと願ってますが、熱中症にだけは注意してほしい。ほんと。体調管理というか、衛生スタッフもひとり付けたら?とかアドバイスしようかしら?と思うくらい……苦笑

今後の経過情況は、情報が入りましたらまたこちらでも書かせてもらおうと思ってます。

まずは

多くのご支援、情報拡散、どうもありがとうございました!
心から厚く感謝申し上げます。

【中田クルミ×新進気鋭の“恋愛”映画監督が贈る、映画『ゆきおんな』製作支援プロジェクト】
http://www.booster-parco.com/project/10

【プロジェクト活動報告・亀山睦実がクラウド方式を選んだ理由が書かれてます】
http://www.booster-parco.com/project/10/report

【ゆきおんなの夏 オフィシャルサイト】
http://yukionna.tokyo/

映画製作への支援をお願いします!

先週末、渋谷の方で独り暮らしをしている娘が久しぶりに実家にやってきました。今年2回目かな。やってくるにはそれなりの理由があるわけで、こちらも事前にそれとなく探りを入れてはおりましたが、以前から話を聞いていた中編映画製作に関するお願いでありました。

yukionna_5大学を卒業後、一旦は映像系派遣会社に入社して某テレビ局の仕事をしたものの「やっぱ映画!」ということでサクっと数ヶ月で退社(他にも色々理由はあったかもしれないけど)、以後はアルバイトしながら自分で作った業界とのパイプを頼りに、CMやPV等のショートフィルムの仕事を中心に映像にとらわれない創作活動を続けてきたわが娘・亀山睦実さん。

彼女のプロフは後述するURLをご覧下さればわかるので割愛しますが、親が言ってしまうのも何ですが、夢を追いきれず現実に埋もれてしまうのが大勢という世にあって、結構自分なりの道に両足踏ん張って頑張って現在に至っております。もちろん、現実が悪い、という話ではなく……。

yukionna_4そんな彼女に「映画はやらないの?」と尋ね、「やるよ、今考えてる」という答えが返ってきたのが昨年暮れだったか今年に入ってからだったか少々記憶が曖昧なのですが、「45分くらいのを考えてる」という彼女の瞳が相当本気モードだったのを昨日のことのように覚えています。

映画製作にはお金がかかります。思い返せば日芸映画学科に入学したときに「卒業制作で200万かかるから」という理由で入学直後からアルバイトに励み、昼も夜もバイトし、もちろん学校の課題もこなし、貯めた資金で作った卒業制作は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」でノミネート上映され、「池袋映画祭」では準グランプリを受賞しました。
でも映画はお金がかかりますから、短編はいくつか作っていたようですが、なかなか劇場公開を視野に入れた中編以上の作品製作には手を出せない状況が続いていたようです。

けれど、これまでさまざまな活動をしてきて、そこで培った「パイプ」と「自負」を武器に、いよいよ映画製作へと自身を向かわせる決意をしたようです。わが娘・亀山睦実さん。

中田クルミ×新進気鋭の“恋愛”映画監督が贈る 映画『ゆきおんな』製作支援プロジェクト – クリックしてね♪

こんな風な記事でも紹介されてます……
『映画 ナタリー』

PARCOはご存知ですよね。あのファッションのPARCOです。そのPARCOが運営する「Booster」という若手起業家のための支援サイトがあります。いわゆる「クラウド・ファンディング」というものですが、そこで初めての映画カテゴリーのプロジェクトとして、娘の企画が現在進められています。

通常は2ヶ月程度の期間を設けるようですが、諸般の事情で1ヶ月強という短期決戦。その間に、目標額である125万円に到達しなければ、プロジェクトは「白紙」となります。

yukionna_2正直な所……親が出してもいいんです。こんなこと言っちゃ始まりませんが、本人の本気モードを見た親としてはどこまでも応援したいですから。でもそれでは彼女の「目的」は達成されたとは言えないでしょうし、今後に繋がるものにもならないと思うんです。

今回の映画、最初の積算で800万円という数字が出たそうです。それはさすがに無理があるということで絞りに絞り、最終的に300万円程度の予算を組むに至ったようです。PARCOのプロジェクトでは届かない数字ですが、そこは本人も「もちろん自己資金も出す」ということで進めています。ぼくら親が「プロジェクト」の枠内で支援するのか、はたまた枠外で支援することになるのかはまだ結果が見えてこないとわからないのですが、その前に、まずはPARCOプロジェクトが目標額に達して成功することを支援したいと思うわけで、こうしてブログで皆さんにお願いしているんです。

yukionna_6支援は、1000円から10万円まで色々あります。もちろん「ただくれ」というのではなく、金額ごとに見返り(?)が用意されていますので、その辺の詳しいことは上記サイトをご覧ください。エキストラ出演、というのもあります……わたしそれやりたい、笑

若い人が頑張ってる姿を見るのは気持ちがいいです。
それはわが子なら尚更、という話になりそうですが、最近、広く若い人たちの夢ある活動を応援したいという気持ちを抱くようになってきました。これも『年齢』のなせる業でしょうか……。

甚だ選挙演説のようですが……どうか、どうか!亀山睦実に清き一票をお願いします!

ということで

きみはいい親を持ったよ、睦実くん、笑

映画『天地明察』

オススメ♪

映画『天地明察』を見てきました。
封切り前から気になってしかたなかった宮崎あおいファンのわたしですが、先週は祭で身動きがとれなかったので一週間我慢しての「あおい詣で」となりました。。。主演は岡田准一、ですが。

2010年本屋大賞を受賞した冲方丁(うぶかたとう)の小説『天地明察』を、『おくりびと』の滝田洋二郎監督が映画化したのが本作でして、原作は例によって読んで無いんですけど、おそらく原作を彷彿とさせる仕上がりになっているのでは?と想像出来るほど見事な出来栄えでした。感服しました。

滝田監督の作品は、初期作からは『病院へ行こう』くらいしか見てないんですけど、『陰陽師』以降は『壬生義士伝』『陰陽師Ⅱ』『バッテリー』『おくりびと』『釣りキチ三平』と見てきています。『おくりびと』が世界的にも注目された作品だっただけに、今回の映画製作にあたっては相当な覚悟とプレッシャーがあっただろうと拝察するのですが、いやいや個人的にはこっちの方がいいと感じるほどの素敵な作品でした(注釈:「釣りキチ三平」は、「おくりびと」が日本アカデミー賞を受賞する前に製作され、受賞直後に公開された)。

物語は四代将軍家綱の時代、囲碁の名家安井家の子として生まれた算哲(後の渋川春海)が、天文学・算術・暦学に通じていることから日本初の暦作りを命ぜられ、その責務全うに正に命をかけて取り組むというお話でして、映画でも若干の脚色はあると断り書きされていましたが、ほぼ史実に残る実話を取り上げています。

地球が丸いということを知らない庶民がほとんどだった江戸の時代に、星を追いかけて「時」を解き明かそうとする算哲の働きは、「何やってるの?」的な正に異次元での出来事だったに違いないでしょう。それだけに、和暦の編纂には数多の障害があり、挫折もあり、それを乗り越えてゆく算哲を支える人々の存在が欠かせなかったのだと思います。

映画においても、この「脇」を固める役者の存在が欠かせないのは知られたことですが、『天地明察』でも滝田監督は見事なキャスティングで算哲を取り巻く人々を描いています。個人的にはどうしても宮崎あおい重視になってしまいますが、笑、いやいや本当に全ての脇役陣が素晴らしいんです。

助演男優賞だけで10人分くらい必要です……と、既に話が日本アカデミー賞入りしてますが、笑

それら算哲を取り巻く人々を丁寧に描き、そして全体をバランスよくまとめていく。和暦を編纂した算哲という人物はどんな人物であったのか。それを周囲の「脇役陣」から浮かび上がらせてくるんです。人はひとりで生きているのではない。数多の人々の影響を受け、支えを得て、そして生きているんだ、と、滝田監督は映画で言ってるようにも感じられてきます。

『天地明察』主演:岡田准一

今年の日本アカデミー賞は……コレです(まだ早い、笑)

高倉健主演『あなたへ』

去る日曜日、降旗康男監督作品『あなたへ』を見てきました。あまりの暑さに妻が「涼みにいこう」というので、笑

映画は……イマイチ

降旗監督といえば、前作『憑神』前々作『単騎、千里を走る。』の2本をたまたま見てるんですけど、99年の『鉄道員(ぽっぽや)』の印象が強いせいか、どうもその後の作品がどれもイマイチという気がします。『憑神』は浅田次郎原作ですけど、原作を読んでいたからか、あちらこちらが不十分という印象でした。『単騎、千里を走る。』は、今回の『あなたへ』とどこか似たようなお話なんですけど(主演も健さん)、むしろ『単騎~』の方がまだ良かったかな。

CMにも問題があるのかもしれませんね。ふとそう思いました。過度に宣伝しすぎてる気がする。どうしてもそれを見て映画館へ行くので、こちらは「何かあるぞ」と当然期待をするわけですが、その「期待」に応えてくれるほどの「何か」は無かったから。

映画の難しい所は、およそ2時間という時間枠の中で「見る者が感じられるように導く」ことでしょう。唐突にお涙頂戴のシーンを持ってきたって誰も涙したりはしません。そこに至る経緯を伝えてからはじめて涙は出るのだと思うわけです。

そういう点では、『単騎、千里を走る。』の方が感情移入しやすかった。わかりやすかった、とも言えるでしょうね。『あなたへ』は、ゴールへ至るプロセスがいくつもあって、それらすべてが解説されていればいいんですけどいかんせん時間切れ、だったのかなぁ。要所要所が不十分という印象がありました。そうなると、見ててすっきりしないんですよね。伏線的なラストのワンシーンも、どこか取ってつけたように見えてしまう。小手先でこなしてる、ような?

それにしても「健さん人気」は絶大ですね!

少なからず予想はしてましたけど、封切り最初の休日、映画館はご年輩の女性グループやご夫婦で一杯でした。ぼくらくらいの年齢層カップルが3~4組いる以外は、ほぼ還暦過ぎた皆様でして、妻もそれを見て「別の映画に変えられないかな……」とこぼしてました。自分で見たいって言ってたのに、苦笑

これを見て夫婦観が変わるとか、人生観が変わるとか、そういうことは一切ありません。少々酷評になってしまいますが、そういうものを望むなら見ないほうがいいでしょう。

ただ、淡々と進む物語、人生とはそういうものだというある種達観した視線で映画を楽しめるのなら、見るのも是であろうとは思いますが。。。

健さんは……老いましたね、さすがに。前作『単騎、千里を走る。』から6年経過していますが、後姿が爺様でした。前作ではその辺もさほど違和感無かったんですけどねぇ。役柄に対する年齢対応に少々無理があったという印象も残っています。超が付くほどの個性派俳優さんですから、それを生かすキャスティングも難しいんでしょうけどね。

脇を固める俳優陣が素晴らしかっただけに、まぁその辺も期待しすぎていたのかもしれませんけど、カメ夫婦は不完全燃焼で映画館を後にしました、とさ。

映画『あなたへ』公式サイト